一宮の有料老人ホームで前払金を支払っても、退去時に全額がそのまま戻るわけではありません。 入居開始前、入居後3か月以内、それを超えた後で計算が変わるため、契約前に前払金総額、初期償却、想定居住期間、1日分の利用料、返還期限、保全措置を一枚の表へ写します。月払い方式との比較も同じ期間で行います。

厚生労働省の標準指導指針は、前払金の算定根拠と返還額を契約書等に明示し、入居開始可能日前の契約解除では既受領金を全額返還する考え方を示しています。入居後は利用日数相当額や契約上の償却を差し引くため、『90日以内なら無料で試せる』とは考えません。原状回復、食事、選択サービスなど別費用も確認します。

返還を三つの時点で分ける

時点確認する金額契約書で見る欄
入居開始前既受領金の全額返還入居開始可能日・解約手続
入居後3か月以内利用日数相当額を控除した返還短期解約特例の計算式
3か月超未償却残高の返還想定居住期間・償却率
死亡終了死亡日までの計算終了日・家族の届出
施設都合解除条件と返還時期事業者解除・移転
居室変更前払金差額の扱い住み替え・追加費用

『入居日』と『入居開始可能日』が異なる契約では、どの日から費用が発生するかを確認します。荷物搬入だけ先に行う、病院退院が延びる、体験入居から本契約へ切り替えるときに、短期解約特例の起算日を家族が誤解しやすくなります。契約書の定義と請求書の日付を合わせます。

入居後3か月以内の返還では、家賃等の月額を30で割り、利用日数を掛ける考え方が示されていますが、実際に何が月額へ含まれるかは契約で確認します。食費は喫食数、管理費は日割りか月単位、居室清掃や原状回復は別かを分け、家族だけで返還額を推測しません。

初期償却と想定居住期間を数字で試す

前払金の一部を入居時に償却する契約では、短期間で退去しても初期償却分が戻らない扱いがないかを確認します。重要事項説明書の『想定居住期間』『償却の開始日』『初期償却率』『返還金の算定方法』を見つけ、4か月後、1年後、3年後の返還見込額を施設に計算してもらいます。

前払金が低いプランは月額が高く、前払金が高いプランは月額が低い場合があります。平均寿命だけで損得を決めず、本人の資産、毎月の年金収入、医療費、介護保険外サービス、家族が管理できる現金余力を含めます。高額介護サービス費の対象外費用も前払金とは別に見ます。

返還金の保全措置と支払先を確認する

前払金は施設へ長期間預ける性質があるため、事業者が返還できない場合に備える保全措置が重要です。銀行保証、信託、保険など、施設が採用する方法、保全対象額、保証先の名称を重要事項説明書で確認します。『法律に沿っています』という口頭説明だけでなく、書面の記載と問い合わせ先を見ます。

振込先が運営法人名と一致するか、申込金・前払金・敷金・月額費用が別の口座になっていないかも確認します。個人名義口座への振込や、契約書受領前の高額送金は避けます。家族が代理で支払う場合は、誰のお金として記録するか、返還先口座は本人か家族かを契約前に決めます。

重要事項説明書と個別契約書を重ねる

愛知県は、有料老人ホームは施設ごとに入居要件、サービス、利用料金が大きく異なると案内しています。県の様式や施設一覧だけで返還を判断せず、候補施設が交付する最新の重要事項説明書と、実際に署名する個別契約書を照合します。重要事項説明書の見方と同じ表で差異を記録します。

退去予告期間が一か月でも、返還計算の終了日が退去日、居室明渡日、契約終了日のどれかで金額が変わります。死亡時は家族がいつまでに連絡し、荷物をいつ搬出し、返還金を何日以内に受け取るかを確認します。疑問が残る条項は、その場で署名せず、写しを持ち帰って家族と読みます。

試算は口頭の概算で終わらせず、前払金、控除額、返還予定額、返還予定日を施設名入りの書面やメールで受け取ります。担当者の説明と契約書の計算式が違う場合は、どちらが適用されるかを修正後の書面で確認します。

施設見学では月額費用だけでなく、前払金の返還式を具体的な退去時期で計算してもらうと、本人の資金計画に合うか比較しやすくなります。

契約前にする三つ

①入居前・3か月以内・1年後の返還額を施設に試算依頼、②初期償却・想定居住期間・保全先を重要事項説明書で確認、③月払い方式と同じ利用期間・同じサービス条件で総額を比較します。

確認した一次情報

返還額、償却、保全、退去費用は施設と契約プランで異なります。2026年10月10日時点の公的情報を基に、署名前に最新の重要事項説明書と個別契約書を確認してください。