たとえば母が「自分の生活リズムを崩したくない」と言った場面で、複数施設を見学して比較したいと考えていますか。
結論:見学は必ず二か所以上、同じ項目で「本人の一日」と「費用欄」を並べて記入し、後で同一条件で比較できる形にしてから相談に進むと判断が容易になります(比較用メモで差が見えます)。
同じメモで比べる方法 — 質問と記入項目を統一する手順
まず必ず1枚の「比較用メモ」を用意します。
紙でもスマホの表計算でも構いませんが、見学ごとに項目名を変えずに書き込むことがポイントです。
項目は「本人の一日」「スタッフ対応(人数・態度)」「部屋・設備」「食事」「入浴・排泄」「医療・服薬管理」「イベント・外出」「見学日時」「費用の内訳」「備考(気になったこと)」の順が扱いやすいです。
見学中は質問を変えず、答えをそのままメモします。
例えば「朝起床から就寝までの典型的な一日の流れを具体的に教えてください」と施設に同一の問いを投げ、回答を時刻と担当職で記録します。
メモは「本人の一日」欄に、起床時間・朝食・リハビリ・服薬の介助・昼食・レクリエーション・入浴・就寝の順で時刻ベースに書くと後で比較が簡単です。
記入例(本人の一日・費用欄のフォーマット)
以下は記入フォーマットの例です。
実際の数値・料金は施設説明の際に必ず公式窓口で確認してください。
| 項目 | 見学A | 見学B |
|---|---|---|
| 本人の一日(起床→就寝) | 7:00 起床→7:30 朝食(食事補助あり)→9:00 リハビリ→12:00 昼食→15:00 レク→18:00 夕食→20:00 就寝 | 6:30 起床→7:00 朝食(配膳セルフ)→10:00 外部機関リハビリ→12:30 昼食→14:00 個別ケア→17:30 夕食→21:00 就寝 |
| スタッフ対応(例) | 日中介護士3人体制、夜勤2名、看護師日中常駐 | 日中介護士2〜3名、看護師非常勤、訪問看護連携 |
| 設備・居室 | 個室・一部ユニット型、トイレ付き、手すり完備 | 個室中心、共有リビングが広い、段差注意 |
| 食事(嗜好への対応) | 常食中心、刻み食・治療食対応可(要確認) | 季節メニューあり、宗教食・嗜好対応は要相談 |
| 費用(内訳を確認) | 月額:基本サービス費+食費+居住費(詳細は要確認) | 月額:基本サービス費+加算項目あり(詳細は要確認) |
| 備考 | 見学時の印象:活気がある、レクリエーション充実 | 見学時の印象:落ち着いた雰囲気、個別対応を強調 |
記入例の「費用」欄には施設が示した内訳をそのまま写してください。
金額や加算の適用可否は変動するため、最終的な費用は必ず窓口で再確認する旨を追記します。
比較後は「本人が重視する順(居室の広さ、医療連携、食事)」に沿って優先順位をつけると相談時に伝えやすくなります。
判断基準は事前に決めておきましょう。
例えば「医療管理が必要なら看護師常駐を最重視」「外出頻度を保ちたいなら外出や地域交流の多さを優先」といったシンプルな優先順位を3つまで設定すると迷いが減ります。
最終的な決定は専門職や自治体の相談窓口ともすり合わせてください。

見学前に確認する順番 — 編集部が整理したチェックリストと相談前準備
相談前に何を準備するか、編集部が優先順位を付けて整理します。
順番を決めておくことで見学時に聞き漏らしが減り、比較の負担も軽くなります。
以下は一宮・稲沢・江南・小牧の家族がよく重視する順に並べたチェックリストです。
1) 当事者の現状と「譲れない条件」をまとめる。
医療連携、トイレ自立、食事形態、家族の面会頻度など、優先度ごとに整理します。
2) 必要書類と本人情報を準備する。
保険証、介護保険証、主治医の連絡先、服薬一覧などは見学時に提示を求められる場合があります。
見学時の聞き方と順序(実践例)
見学は「受付→居室→浴室→食堂→リハビリ・機能訓練→スタッフステーション→契約説明」という流れで回ると効率的です。
各ポイントで必ず同じ質問を投げかけます。
例えば居室では「居室の広さと家具持込可否」「窓の向き」「プライバシー確保の仕組み」を確認します。
浴室では「入浴支援の方法(介助の程度)」「入浴頻度と個別対応の可否」を、食堂では「食事形態(刻み・ペースト)」「食事の嗜好対応」「誤嚥対策」を同じ質問で確認します。
リハビリや機能訓練は「個別プログラムの有無」「外部事業者の利用」「評価頻度」を聞き、スタッフステーションでは「夜間対応の仕組み」「緊急時の連携先(病院等)」を確認します。
契約説明は必ず最後に時間を取ってもらい、費用の内訳を口頭で聞いた後に書面で受け取ります。
費用は項目ごとに写し、見学メモの「費用(内訳)」欄に同じ形式で記入してください。
金額や加算の適用条件は変わることがあるため、最終判断前に公式窓口で再確認する旨を記載しておきます。
判断基準の実例としては、「医療依存度が高い場合は看護師常駐と医療連携の証明」「自立重視なら共有スペースの広さと生活リズムの尊重」をチェックリストの基準にします。
見学で得た感覚(匂い、スタッフの応対、入居者の表情)も重要ですが、印象だけで結論を出さずにメモと照らし合わせて第三者にも説明できる根拠を残しましょう。
最後に、見学後は必ず24〜48時間の間に家族で比較メモを見直し、優先順位と照らして候補を絞ってから施設に再確認の連絡を入れるのがおすすめです。
自治体やケアマネジャー、主治医にも相談し、必要な手続きや医療面のフォローを確認してください。




